2023.01.18

公務員の給料、解説します!どんな仕組み?

先週のコラムにて平均年収のお話をさせて頂きましたが皆様ご覧になられましたでしょうか?
前回のコラムで令和3年度の平均年収は443万円とお伝えさせて頂きました。
単に平均年収だけですとご自身の年収が人より多いのか、少ないのか判断がつきませんので、世代ごとの平均年収とご自身の年収を比較してご確認頂けたかと思います。
そして年収が人より少ない、又はもっと増やしたいという方向けに出来る対策について、いくつか解説させて頂きました。
しかし前回のコラムにおける平均年収は民間企業が対象となっておりますので、公務員の方は含まれておりません。

そこで今回は公務員の方の給料について考えて参ります。


前回のおさらい

まずは先週のコラムでお話させて頂いた民間企業にお勤めの方の給料・年収についてざっくりとおさらいしておきましょう。

民間企業の平均年収は433万円ですが、実は令和2年度まで2年連続で減少していたなかで増加に転じています。とはいえ、民間企業における平均年収のピークは平成9年度の467万円と約30万円少なく厳しい状況が続いています。

日本では1990年代のバブル崩壊以降、低所得・低物価・低金利・低成長が続き、近年ではオリンピックによる景気回復が期待されていたものの、コロナウイルスの流行と重なり、依然として会社員の平均給与は400万円代と横這いのままとなっているということは前回もお伝えさせて頂きました。

また、世界の先進国の大半の平均年収が上昇しているのに比べ、日本はほとんど変化していない状況にあります。この原因はいくつかあるでしょうが、1つには日本に昔から根付いている「終身雇用制度」が根付いているという事が上げられます。

日本では労働者は急な解雇等が少なく、企業に守ってもらう事ができる反面、成果主義でない為に結果を出しても出さなくても大きく給与が変化することが無いという傾向にあります。

その為、スキルアップや転職をすることで給料を増やすことができるかもしれないというのが前回の内容でした。

公務員の給与

では公務員の給与・年収はどうなのでしょうか?

国家公務員と地方公務員に分けて確認していきましょう。

国家公務員

国家公務員の中には一般行政職員、自衛官、海上保安官、入国警備官、国立施設の職員など様々な職種があります。

人事院による令和4年国家公務員給与等実態調査では、令和4年4月時点で国家公務員は25万3401 人います。そして全俸給表の平均給与月額は413,064円、俸給は334,711円となっております。

 

この俸給、民間企業に勤めている方はあまり聞かない単語ですよね。

国家公務員の方はもちろんご存じかとは思いますが、国家公務員の給与は「俸給表」で定められています。俸給は国家公務員に支給される基本給と捉えるとわかりやすいのではないでしょうか。

この「俸給」に手当等が加わって「給与」となっています。

実は俸給表は仕事内容に応じて違いがあります。

例えば事務職の場合、「行政職俸給表(一)」が適用され、月の給与は405,049円となり平均を下回ります。遠洋区域又は近海区域を航行区域とする船舶、その他人事院の指定する船舶に乗り込む船長、航海士、機関長には「海事職俸給表(一)」が適用され、月454,999円の給与となり平均を上回ります。

このように国家公務員と一括りにしてもその職種は多岐にわたる為、国家公務員の中でも給与に差があります。

 

令和4年人事院勧告・報告によると国家公務員のボーナスは年間4.40月分支給となっています。

その為、先程の国家公務員の平均給与月額41万3064円を基に計算すると国家公務員の平均年収はおよそ677万円となる見込みでしょう。

民間企業の平均年収との差は約244万円とかなり開いていることが分かります。

 

 

地方公務員

総務省の令和4年度地方公務員給与実態調査結果等の概要によると地方公務員の内、一般行政職の平均給与月額は平均年齢42.1歳で358,878円となっています。

 

地方公務員は自治体ごとに差がありますがこちらも「給料表」があり、職種に応じて異なる給料表が適用されます。その金額にプラスして手当がついて月々の給与が決まります。

 

また地方公務員と言っても都道府県などのいわゆる広域自治体から、市区町村などの基礎自治体まで様々です。

そして地方公務員の給与は地域ごとの条例によって定められている為、地域差が大きく、国家公務員同様に職種によっても大きく異なります。

例えば政令指定都市などは規模が大きく県の権限がいくつか移されている為、業務が多く給与が県庁職員と同等かそれ以上になることがあります。一方、一般の市や町村になると県庁よりは低くなる傾向にあります。

公務員と民間企業の違い

公務員の特徴

公務員の給与は、民間企業と比較すると国家・地方公務員共に平均年収が高くなっています。

しかし公務員の方が多く給料を貰っているという単純な話ではありません。

数字だけ見ると民間企業の給与が少ないように見えますが、民間でも大企業の中には公務員の年収を大きく上回る企業もあります。

また民間企業の平均給与には中小企業で働く給与所得者や非正規雇用で働いている人も含まれていることを頭に入れておきましょう。

 

公務員の特徴としては、以前「公務員とお金の関係性!賢く資産を守る方法」というコラムでも詳しく解説しましたが、安定した雇用や手厚い共済組合があります。

給与面も安定しており、年齢や経験年数に応じて上がっていく為、民間企業の様に業績や景気の影響によって大きく給与が減少するということは少ないでしょう。

ただし安定しており大きな変動がないがゆえに、現在のようなインフレや物価の上昇時には多少家計が圧迫されてしまう可能性もあります。

対策

公務員としてお勤めの方ももっと給料を増やしたい、自由に使えるお金を増やしたいと思われることがあると思います。

前回民間企業にお勤めの方向けに3つの対策、「スキルアップ」「転職」「不動産投資」をご紹介しました。

こちらも公務員の方向けに考えてみましょう。

 

まず1つ目、資格取得をすることでスキルアップし資格手当を得るという方法がありました。これは公務員の方は資格手当がつかない為、直接給料を上げることはできません。

公務員の場合、免許資格が必要な職種は俸給表、給料表で予め分けられている為、元々の基本給に資格が反映されています。ただし資格取得が無駄ということはありません。

スキルアップすることで業務が円滑に進み、それが自身の評価に繋がる可能性はあります。

 

 

次に転職という手段があります。民間企業に転職することで今以上の給与を得ることができる可能性はありますが、もし転職するのであればよく考えることをおすすめします。

公務員の方は試験を合格している上、民間企業ではなく公務員として就職したということは少なからず安定性や手厚い手当に魅力を感じている、ということだと思います。

転職を検討している公務員の方はご自身のライフプランに合わせて慎重に考えてみて下さい。

 

3つめの「不動産投資」ですが、実は公務員の方に一番おすすめなのはこちらです。

公務員として働きながらお金を増やす為には、その安定性を武器として使うことができる資産運用を行うことが効果的です。資産運用に興味がございましたら、まずは公務員であることの強みからご認識頂ければと思います。

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まとめ

今回は公務員給与について詳しく解説させて頂きました。

前回の内容も含め、民間企業の方との違いについてもご理解頂けたのではないでしょうか。

公務員の方も民間企業にお勤めの方も、実はお金を増やす為に給料を上げる以外で、資産運用という別の方法があるということを頭の片隅にでもおいて頂けたら幸いでございます。

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