2022.12.07
速報!2022年冬のボーナスレポート
2022年も遂に12月、そして12月と言えば冬のボーナスの季節ですね。
皆さんの今年度の冬のボーナスはいかがでしたでしょうか?まだ支給されていない、という方はいくら支給されるのか丁度気になっているところではないでしょうか?
今年はコロナウイルスも落ち着きを見せ、業績が回復している企業も多い為、支給額が増えるのではと期待している方も多いかと思います。
そこで今回のコラムでは、世間的な今年度の冬のボーナス状況について解説しつつ、その使い方について一緒に考えていきたいと思います。どうぞ最後までお付き合いください。
今年のボーナスの状況
今年のボーナスは民間のシンクタンク各社が予測結果をまとめたところ、1人当たりの平均支給額は2年連続で前の年を上回り、それぞれ1.2%から2.6%の増加を見込んでいます。
国の統計を基に大手シンクタンク4社が増加率をまとめた結果はこちらです。
シンクタンク | 増加率 |
---|---|
第一生命経済研究所 | 2.6% |
三菱UFJリサーチ&コンサルティング | 2.5% |
日本総合研究所 | 1.8% |
みずほリサーチ&テクノロジーズ | 1.2% |
これによるとシンクタンク4社はいずれも2年連続で前の年を上回ると予測しています。
また厚生労働省の毎月勤労統計調査によると去年の冬のボーナスの平均支給額は38万787円と前の年より0.1%増加しました。
今年の予想が最も高かった第一生命経済研究所はコロナ禍で落ち込んだ企業の業績が持ち直し、冬のボーナスの支給を再開する企業が増えるとみられることや、人手不足による人材確保の観点などを背景に例年と比べて比較的高い伸び率になると見込んでいます。
その他3社も同様にコロナからの回復を支給額増加の理由として挙げています。ただし、賃金の増加ペースが物価の上昇に追い付いていない為、支給額の増加は手放しで喜べる状況ではなさそうです。
昨年からの変化
今年は昨年と比べると、コロナ禍の影響が落ち着きを見せており、本格的な回復が見込まれています。
感染拡大が経済活動に与える影響が薄らぎ、企業の業績が改善したことでボーナスが押し上げられたと見られます。
ボーナスは増減の判断が難しい月の給与とは別で、業績に応じて比較的柔軟に変動させることが可能です。
その為、コロナ禍で支給額が大幅に落ち込んだ20年度の反動によって昨年度は増加が見られました。
今年度は夏のボーナスに引き続き冬のボーナスも比較的高い伸びが実現すると見込まれています。
また、ここ2年間ボーナスの支給を見送っていた企業も業績の持ち直しを受けて支給再開の動きが増える事も予想されています。
しかしながら、今回のボーナスの増加はコロナ禍によるこれまでの落ち込みからの戻りという面が大きいです。
水準だけで見ると、コロナ前の19年度並みの金額にとどまる見込みです。
また、ボーナスの支給がない労働者も含めてもコロナ禍の落ち込みを取り戻すことは未だ難しい状況にあり、冬のボーナスがコロナ前の水準を明確に上回るのは持ち越しとなりそうです。
また、今年は物価の上昇も懸念材料です。原材料価格の高騰を原因に値上げの動きは当面続くと考えられています。
賃金の増加ペースは物価の上昇に追い付いておらず、冬のボーナスが増えても物価高の影響で実質的な所得は減少する可能性があります。
ボーナスの使い道
みんなのボーナスの使い道
ロイヤリティマーケティングが行った、冬のボーナスの使い道についての調査結果を見てみましょう。(複数選択可能な調査となります)
順位 | 使い道 | 割合 |
---|---|---|
1 | 貯金・預金 | 37.3% |
2 | 旅行 | 7.0% |
3 | 食品(普段食べるもの) | 5.6% |
4 | 外食 | 4.5% |
5 | 衣服 | 3.9% |
6 | 財形貯蓄 | 3.5% |
7 | 食品(お取り寄せなど) | 3.0% |
8 | ローンや借入の返済 | 2.3% |
9 | 投資信託 | 2.2% |
10 | 株式 | 2.1% |
ー | 特にない | 6.7% |
ー | 支給されない・わからない | 45.6% |
このランキングによると、1位は「貯金・預金」です。ロイヤリティマーケティングによる調査では9年連続で1位とのことです。
日本人は昔から「貯金好き」で現金保有率(貯蓄率)も高い傾向にあります。
そして次に旅行がランクインしています。筆者もボーナスに対しては旅行や自分に対するご褒美というイメージがある為、個人的には納得できる結果だと感じました。
旅行は全国旅行割や海外旅行も解禁されている為、今後はさらに増えてコロナ前のように活発になるだろうと推測できます。
その次に食品(普段食べるもの)、外食、衣服などと続いて財形貯蓄がランクインしていますが、ここで注目すべきは9位の投資信託です。
若い世代の変化
日本では投資に対して後ろ向きに考える人が多く、これまでのボーナスの使い道と言えば1位である貯金を除けば、お取り寄せや旅行など、自分へのご褒美に使われる傾向があったと思います。
しかしながら近年は老後の備え、今現在で言えば物価高の影響もあり、投資などの資産運用を行う人が増えています。
約1万人を対象にした野村総合研究所の調査の結果によると、投資をしている人の割合は2015年は16%ほどでしたが、2021年には20%を超えています。特に顕著なのは若年層の増加です。
年齢層 | 2018 | 2021 |
---|---|---|
25~29歳 | 6.6% | 17.9% |
30~39歳 | 13.5% | 19.1% |
25~29歳の場合、2021年の調査では前回から11.3%増の17.9%となっています。30~39歳の増加も著しく、5.6%増の19.1%となっています。この年代は2015~2018年の増加幅も大きく、2015年以降では10%増加しています。
40~49歳、50~59歳の層も2021年までの3年間で増加していますが、60~69歳の層は1.5%減少していました。
結果として、投資している人の割合はどの年齢層でも大差なく、20%近辺でかたまり、以前は投資する人の割合は年齢を重ねるごとに増加し50代から60代にかけて跳ね上がっていましたが、現在はそのような状況は見られなくなくなっています。
また投資している人の割合が増えたのと同様に、投資に興味がある人の割合も増えています。
iDeCoを始めとして、NISAの導入など、投資しやすい環境が整えられ、それにより投資を行う若年層の拡大に寄与していることが予想されます。
貯金をしても資産が増えることはなく、今後の為に投資をしようという人が増えている中、2024年以降はNISAの非課税対象および非課税投資枠が見直される為、今後も投資をする人はさらに増えていくでしょう。
まとめ
今年度の冬のボーナス状況はいかがでしたでしょうか?支給額の増加が見込まれていると言っても手放しで喜べる状況ではないですよね。
今年度の増加はコロナ以前と同水準にようやく戻ったというだけで、冬のボーナスがコロナ前を上回るのは来年度以降になると考えられます。
また物価高の影響で実質はお金が減っている為、お金に対して不安がある方は貯金だけではなく、資産運用を選択肢の1つに入れて考えてみるのもおすすめです。
支給されたボーナスを今の自分の為に使うのか、少し先の未来の自分の為に使うのか?
どちらが良いとは決められませんが、投資という使い道もあると知っていただければ幸いです。
もし興味がございましたら、是非USTRUSTにご相談ください。
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