2022.12.14

インフレ・円安・物価上昇から自分の生活を守る方法!

かつての日本では、戦後起こった高度経済成長期からバブル期まで、長く好景気が続いていました。
しかし1990年代に入ってバブルが崩壊し、日本は「失われた30年」と呼ばれる長い不景気へと突入しました。

そして2022年現在、日本ひいては世界中で「グローバルインフレ」が起こっています。
長らく不景気であった日本では、日本銀行がインフレに誘導することによりデフレ脱却を目指してきました。
そうまでしてずっと待ち望んできた「インフレ」、しかし私たちの生活が豊かになっている気はしませんよね。むしろ悪化しているとさえ感じさせます。
一体何故なのでしょうか?現在の経済状況を改めて解説しながら、このグローバルインフレ下で私たちにできる事を一緒に探っていきましょう。


インフレとデフレ

インフレ・デフレの定義

念の為「インフレ」と「デフレ」の定義をおさらいしておきましょう。「インフレーション(インフレ)」は物価が上がり続けて、お金の価値が下がり続ける事。反対に「デフレーション(デフレ)」は物価が下がり続けて、お金の価値が上がり続ける事です。

 

インフレの要因の1つとして好景気があります。景気が良くなると物が売れて、需要が供給を上回ることで物の値段が上昇します。それに伴い賃金や原材料費も上昇することでますます物の値段が上がるという仕組みです。好景気によるインフレは賃金上昇で消費が活発になり、それが企業の業績アップに繋がるという好循環を生みます。しかし物資不足で物価が上昇し起こるインフレは経済そのものにダメージを与えてしまうこともあります。

 

デフレはインフレとは逆の状態です。つまり、物が売れなくなってしまう為、売り上げを伸ばそうと値段が下がっていくことです。デフレは景気の悪化が引き金となり生じることが多いです。物の値段が下がることは消費者にとって喜ばしいことだと感じるかもしれませんが、賃金も同時に下がってしまうため、購買意欲も下がってしまいます。結果としてますます物が売れなくなり、景気が悪化していくという仕組みです。

 

このようにどんどん悪循環に落ち込んでいく状態を「デフレ・スパイラル」と言います。

 

日本はバブル崩壊後にこのデフレ・スパイラルに陥り、日本銀行がデフレ脱却に尽力してきました。しかし物価は緩やかに下がり続け、安倍政権が行ったアベノミクスの金融政策でもインフレ率は1%ほどしか上がりませんでした。日銀は遂に2016年、マイナス金利政策を導入し今に至っています。

現在のインフレの原因

話を2022年現在に戻しましょう。

現在のグローバルインフレの原因は、ロシアによるウクライナ侵攻だと考えている方もいらっしゃるかもしれません。

ウクライナ侵攻がインフレに拍車をかけているのは事実ですが、そもそもの原因は新型コロナウイルスの世界的な流行にあります。

 

現在のインフレは、世界的なパンデミックにより私たちの社会的・経済的行動パターンが変化したことが大きな要因となっています。その変化とは、例えるならコロナ以前は定期的に「外食をして」おいしいものを食べていたのが、今ではおいしいものを「買って」家で食べるという行動が増えているということです。これがニュースでよく言われている「行動変容」です。コロナ以前のサービスの消費が、今は物の消費にシフトしています。そうするとサービスより物に需要が集中してしまい、物の価格が上がりインフレが起きてしまうのです。

一度変わってしまったこの行動の変化が、なかなかコロナ以前の様には戻らないのです。

 

物価上昇と円安

物価上昇の原因として、燃料・資源価格の高騰が上げられます。これは新型コロナウイルスの感染が下火になった事が影響しています。コロナ禍で停滞していた頃と比べ、世界各国の経済活動が再び活発になり、それにより世界的にエネルギーの需要が高まり、価格が上がっているのです。コロナ禍で旅行等が自粛され、大きな影響を受けていた航空会社の飛行機の本数が増えたことなども身近な例となります。

加えてロシアによるウクライナ侵攻が燃料・資源価格の高騰に拍車をかけています。ロシアは原油や天然ガス等を世界中に輸出していますが、経済制裁により原油の供給が減少し、昨年からの原油高が加速したことで物流費や包装費も上昇しています。

また日本では、急速な円安の進行で輸入品が値上がりしています。これは日本が燃料の多くを海外に頼っている為、円安になると輸入コストが増加し、それが商品価格の値上がりに直結してしまうという構図です。

 

他にも「ゼロコロナ」を掲げる中国が上海市などを封鎖したことで半導体や工業製品の供給が滞っていることも物価上昇に影響を与えています。

物価が上がると生活が苦しくなる為、労働者は給料の上昇を求めます。企業が給料を上げると、その分の人件費を確保するために商品価格が上がります。そうすると労働者はまた給料の上昇を求めるという物価上昇のスパイラルが出来上がるのです。

 

対策

現在世界各国の中央銀行が金利を引き上げることでインフレをコントロールしようとしていますが、インフレ以外にも生活を苦しめる円安・物価上昇から資産を守るにはどうすればいいのでしょうか?

まず前提として、1種類に限定するとリスクが高くなるため、インフレに強い資産で分散して持つことが備える方法になります。1つの資産が落ちていてもその他が上がっていれば、全体的には守られる可能性が多くなるからです。

例えば円預金を全額ドル預金に替えると、ドルの価値が下がった時に資産がすべて目減りしてしまいます。外貨預金が有効だとしても、経済の状況によっては効果を発揮できない可能性があります。

では具体的にはどうしたらいいのか?いくつかの手段をご紹介します。

有価証券

まずは株式を始めとする有価証券です。インフレは企業の利益を押し上げる為、インフレの進行と共に株価も上昇すると考えられます。株式に投資しておくことで、インフレでも資産が目減りしない可能性は高いと言えるでしょう。しかし必ずしも株価が上昇するとは限らない為、不安な方は投資信託で投資のプロに運用を任せることをお勧めします。

外貨

外貨もインフレに強いと考えられます。インフレ下で日本円の価値が下落すると相対的にドルやユーロの価値が上昇するからです。しかし、先程ご説明したように外貨の価値が下がる可能性も十分にありますので、全て外貨にするのではなく、日本円とドルに分散するなどバランスよく所有することがポイントになってきます。

不動産

最後に不動産です。不動産は金や宝石などの貴金属、美術品などと同様に現物資産に分類されます。そのものの価値が極端に下がることは考えにくい、というのが不動産の利点です。また消費者物価指数が上がると家賃が上昇しやすい点も魅力です。価格が多少下がったとしても居住する場所が無くなることはありませんので、家賃収入で利益を得ることができます。

まとめ

ここまでお読み頂き、現在のインフレや物価上昇は新型コロナウイルスの世界的流行がきっかけとなった事はお分かりいただけたでしょうか?

日本は長かったデフレを脱却しインフレに向かっています。現状世界と比べると低インフレではあるのですが、今後どうなっていくかは誰にもわかりませんので、インフレに備えて対策していくことが重要です。

そうはいっても急に対策なんて難しい、という方もいらっしゃると思います。そういった方はまずは家計の無駄を無くすことから始めましょう。そんなことでいいの?と思うかもしれませんが、いきなり資産運用を始めるというのはやはりハードルが高いと思いますので、日常生活の小さなところから改善することが重要です。せっかく資産運用をしていても、日常生活で無駄遣いをしていたら意味がありません。ご自身のペースで、出来るところから資産を守るために行動していきましょう。それが結果として、生活を圧迫する円安・物価上昇に対する有効な手段にもなります。

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