2022.02.19
国家資格!宅地建物取引士試験を現役不動産会社勤務の宅建士が解説!①
マイホーム購入時や不動産投資を始める時、アパートを借りる時など、不動産に関わりを持つ機会があると、不動産のプロである宅地建物取引士の資格に興味を持つ人も多いでしょう。
しかし実際に試験に挑戦するのはなかなかハードルが高いという人が多いと思います。
ここでは実際に宅建試験で出題された問題を、現役不動産会社勤務の宅建士が解説し、不動産購入・賃借時にちょっと役立ちそうな情報をお伝えしていきます。
今回の例題はこちら↓
令和3年10月試験出題
問37 宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明及び同法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.宅地建物取引業者は、媒介により区分所有建物の賃貸借契約を成立させた場合、専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約においてペットの飼育が禁止されているときは、その旨を重要事項説明書に記載して説明し、37条書面にも記載しなければならない。
2.宅地建物取引業者は、自ら売主となる土地付建物の売買契約において、宅地建物取引業者ではない買主から保全措置を講ずる必要のない金額の手付金を受領する場合、手付金の保全措置を講じないことを、重要事項説明書に記載して説明し、37条書面にも記載しなければならない。
3.宅地建物取引業者は、媒介により建物の敷地に供せられる土地の売買契約を成立させた場合において、ときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的を37条書面に記載しなければならない。
4.宅地建物取引業者は、自ら売主となる土地付建物の売買契約及び自ら貸主となる土地付建物の賃貸借契約のいずれにおいても、37条書面を作成し、その取引の相手方に交付しなければならない。
重要用語の解説
◎宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明…重要事項説明(重説)のこと。宅地建物取引業者が宅地や建物の契約にあたって取引の相手方に契約上重要なことを説明すること。わかりやすく言えば商品説明のようなもの。重要事項説明は必ず宅建士が行い、その際には宅建士証を提示する必要があります。そして必ず契約の前に行わなければなりません。
◎37条書面…いわゆる契約書のこと。当事者間の約束事を書面におこしています。
◎媒介…分かりやすくいえば仲介のこと。
◎区分所有建物…分かりやすくいえばマンション1室のこと。
解答・解説
1.×誤り
「ペットの飼育禁止」は当事者間の約束事ではなく、貸主からの一方的な契約にかかる重要な事項と考えられます。
そのため、重要事項説明書への記載をすれば足り、37条書面への記載は必要ありません。
2.×誤り
「手付金の保全措置」については、当事者間での約束事ではなく、宅地建物取引業法で定められている、契約にかかる重要なルールです。
保全措置が取られるのか取られないのか、という商品の説明であり、当事者の約束ではないため、商品の説明書である重要事項説明書への記載は必要ですが、37条書面への記載は不要です。
3.〇正しい
「当該売買代金以外の金銭の授受に関する定めがある」ということは、当事者間での約束事が発生しているということです。
代金以外にお金のやり取りが発生していますので、それは37条書面に記載が必要となります。
4.×誤り
「自ら貸主となる」契約は、実は宅地建物取引業法の適用を受けません。
貸主が宅地建物取引業者であっても、37条書面の交付の義務はないのです。
ですが実際の実務では、トラブルを防ぐため書面を交付するのが一般的ではあります。
したがって、この問題の正解は3となります。
いかがでしょうか。
問題の難易度が高かった令和3年10月の試験の中では、この問題はサービス問題レベルの易しめの問題です。
このような試験をクリアしている宅地建物取引士は、不動産取引のプロです。
不動産についてわからないことがあれば、当社専任の宅地建物取引士までぜひお気軽にお問い合わせください!
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