2022.11.02
住宅ローンを使った不動産投資は不正!絶対にやってはいけない理由
住宅ローンを使って不動産投資をすることは、住宅ローンの不正利用とみなされます。
原則として、住宅ローンはあくまでマイホーム購入のためのローンであり、投資目的の不動産の購入はできません。
ではなぜ住宅ローンで不動産投資をしようとする人がいるのか、発覚した場合はどうなるのか、解説していきます。
なぜ住宅ローンで不動産投資をしようとする人がいるのか
金融機関に嘘をついてまで住宅ローンを使って不動産投資をしようとする人がいます。
その理由は大きく2つあります。
不動産投資ローンは審査が通らないが、住宅ローンは審査が通るから
一般的に、住宅ローンの審査よりも、不動産投資ローンは審査が厳しい傾向があります。
マイホームは生活必需品と考えられ、なるべく多くの方にマイホームを持ってもらえるよう、様々な属性の方が借りられる審査基準になっています。また、それと同時に金利も低く設定されています。
一方、投資用の不動産は、はっきり言って生活必需品とは言えません。一種の事業としてみなされるため、審査の間口は狭いのです。
金利も一般的な住宅ローンが0.5~1.5%に対し、1.5~3.5%が平均となっています。
住宅ローンで投資用不動産を購入することが契約違反ということを知らないと、不動産投資ローンは通らないが、住宅ローンであれば借りられるし金利も安いですよ、という不動産会社からの勧めで、そのまま物件を購入してしまいます。
住宅ローン減税を受けられるから
住宅が売買され、大きな金額が動くことで、経済に良い影響を与えるという視点から、住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合、税金の優遇を受けられるという国の施策があります。いわゆる住宅ローン減税です。
借入金の0.7%にあたる金額を13年間、所得控除でき、所得税が安くできるという仕組みで、例えば住宅ローンの残債は3000万円であれば、その年の所得税が21万円安くできるのです。優遇を受けるには一定の条件はあるものの、減税の効果は大きくなります。
そのため、不動産投資をしながら、税金も安くできるという理由で、住宅ローンを使った不動産投資に手を出してしまう方がいます。
以上のような特徴があるため、投資用不動産を販売する会社によっては、不動産投資ローンが通らない物件購入希望者がいる場合、住宅ローンをあっせんしてまで物件を販売しようとする会社もあるのです。
確かに、融資が受けやすく、税金も安くなると聞くと、その方が良いのかなと思ってしまいそうですよね。しかしどんなに条件が良さそうに見えても、契約違反は契約違反です。
では、契約違反が発覚するのはどのような時なのでしょうか。
住宅ローンで不動産投資をしているとどのタイミングで発覚するのか
住宅ローンで不動産投資をしている場合、どのようなタイミングで発覚するか解説します。
郵送物が届かず金融機関に返送になってしまう
住宅ローン契約後、購入した物件宛てに金融機関から重要書類や契約に関する資料等が郵送されますが、そこに住んでいるのは別人ですから、その郵送物の受け取りがされず、金融機関に返送されてしまいます。すると居住実態がないとして、金融機関の調査が入ることがあります。
銀行に限らず保険等でも、郵送物が届かず返送されてしまい、不正契約を疑われるケースは多いようです。
不動産会社の不正発覚による全物件対象の調査が入る
物件を購入した不動産会社が、他にも不正をしていて、何かひとつでも発覚した場合、その不動産会社のあっせんで融資した全物件を対象に実態調査が行われることがあります。
そうなると自分の不正利用が発覚しなくてもが所有している物件のローン不正利用が発覚してしまいます。
その他にも、銀行の担当者が急遽物件を訪問してきたり、入居者へのアンケート調査から発覚するケースもあるようです。
やはり不正は発覚するようになっているのですね。
住宅ローンの不正利用が発覚したらどうなるのか
では、実際に住宅ローンの不正利用が発覚してしまうとどうなってしまうのでしょうか。
ローン残債の一括返済を求められる
住宅ローンの不正利用は、れっきとした契約違反です。
そのため、残りのローンはすべて一括で返済するよう求められることが一般的です。
一括返済のための資金が用意できない場合、物件を売却したお金で返済をしていきますが、売却できた金額がローン残債を下回る可能性もあります。
特に住宅ローンで投資不動産を購入した場合、本来の物件の価値以上のオーバーローンを組んでいることもあるので、ローン残債を大幅に下回ることもあるようです。
金融機関でローンが組みにくくなる
契約違反をしたという履歴は、数年から数十年、金融機関に残ります。
そういった信用情報は信用情報機関にも一定期間保管されるため、実際に住宅ローンを組んだ銀行以外の金融機関でも、ローンを組むことが難しくなります。
不正な契約をした人に、お金は貸したくないのは当たり前のことですよね。
投資ではなく、本当にマイホームが欲しいとなったときにも住宅ローンを組めず、家が買えないという事態にも繋がります。
住宅ローンでの不動産投資が例外的に認められるケース
住宅ローンでの不動産投資が認められるケースがあります。
条件や、確認事項がありますので、注意が必要です。
転勤などの事情
マイホーム購入後、転勤などでどうしても転居しなければならない場合、マイホームを人に貸し出す際はそのまま住宅ローンを利用できるケースがあります。
銀行に事情を説明し、住宅ローンを継続利用可能かどうか、必ず確認が必要です。
場合によっては投資用ローンへの借換えをしなければならないこともあります。
賃貸併用住宅
例えば1階と2階は自宅、3回は賃貸用というような物件を立てる場合、自宅として使用する部分の面積が総面積の50%以上であれば住宅ローンの利用が可能です。
自宅部分の借入については住宅ローン減税も受けられるというメリットもあります。
一方で借入額が大きくなったり、自宅を建てたいエリアが賃貸需要のあるエリアとも限らない等のリスクもあるため、気になる方は慎重に検討をしてみて下さい。
まとめ
近年、金融機関が住宅金融支援機構と提携して扱う全期間固定金利型の住宅ローンである、フラット35を不動産投資に不正に利用する事案が相次ぎ、金融機関が一斉に調査に乗り出し、融資の審査が厳しくなる等の取り締まりの動きが強化されています。
それでもなお、残念なことに住宅ローンを使った不動産投資をあっせんしようとする不動産会社がいます。
不動産会社の人が進めるのだから問題ないのだろうと思って契約をし、その後不正利用が発覚してしまっても、契約しローンを組んだ本人が責任を負うことになります。
金融機関から一括返済を求められ、信用情報に傷がつくだけでなく、債務整理や自己破産をせざるを得ないケースもあります。
取り返しのつかないことになっても、銀行に対して契約違反をし、ローンを不正に利用しているのは本人であり、不動産会社は責任を負ってくれません。
不動産投資は資産を拡大し、不労所得を得ていく上では有用な方法ですが、やり方を間違えたり、意図せずともルール違反をしてしまうと、思わぬリスクに繋がってしまいます。
ローンを使うことで、今手元にある運用資金以上の金額でレバレッジの効いた運用することができ、また、運用資金が貯まるまでの機会損失を回避できるので、ローンの利用自体が悪いものでは決してありません。
取り返しのつかないことになる前に、しっかりと不動産投資の正しい知識をつけ、適切な運用をしていきましょう。
不動産投資の疑問はお気軽にUSTRUSTまでお問い合わせください。
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