2025.03.21

不動産投資は怖い?リスクを知って正しい対策を|お金のみらいナレッジ

投資にはその種類の如何に問わず、一定のリスクがつきものですが、とりわけ不動産投資の分野ではそのリスクのみが取り上げられることが多く、“不動産投資は危険”というイメージを抱かれがちです。
確かに不動産投資におけるリスクは、他の投資に比べるとその種類は多いかもしれません。それらを把握せず、何の対策もせずに始めてしまうと大きな損失になってしまう確率が高くなるのは事実です。
ただ逆を言えば、リスクを十分に把握し、しっかりとした対策を講じれば、不動産投資は決して危険なものではありません。

今回は不動産投資におけるリスクとその対策を考え、一歩を踏み出すきっかけにしていただければと思います。

不動産投資における様々なリスク

不動産投資におけるリスクとはどんなものが考えられるのでしょうか?

まずは不動産投資における6つのリスクとその対策について考えてみましょう。

空室のリスク

不動産投資における主な収入元は家賃収入です。当たり前ですが、部屋が埋まらないことには収入を得ることは出来ません。

ローンを組み家賃収入と相殺して返済していくという方法が一般的ですが、家賃収入がなくなってしまうと、ローン返済の支出だけが発生することになります。ましてや空室の時期が長期間になってしまうと、ローン返済のみに追われるという状況に陥ってしまいます。これが、不動産投資が危ないと言われる大きな要因と言えるでしょう。

そのため、まずは空室を作らないことが重要です。

 

【対策】

空室のリスクを回避するためには、物件選びが最も重要になります。

・最寄り駅へのアクセス

・周辺環境

・周辺相場家賃と比べて適正か

などを考慮し、需要の高いエリアを選ぶことが求められます。

最寄り駅までの距離や、治安状況など、考える要素は多いですが、

自分が住むならどんな物件が良いかを考えるとイメージがつきやすいと思います。

家賃滞納のリスク

空室でもないのに家賃収入が入らない状況は避けたいところです。

滞納が長期に渡ると明渡訴訟などの法的手続きを行うことになりますが、それも大きな労力がかかってしまうため、未然に防ぐに越したことはありません。

 

【対策】

こちらに関しては入居時における対策が重要になってきます。

・入居時の審査をしっかりする

・連帯保証人(保証会社)をつける

などがあります。

入居時の審査を厳しくすることで経済的側面での滞納リスクを大幅に減らすことができます。

万が一入居者が家賃を支払いできなくなった場合を想定して連帯保証人を立てる、保証会社をつけておき、仮に借主が支払い困難になったとしても、回収できる仕組みを作っておきましょう。

老朽化のリスク

建物の老朽化は避けては通れない問題のため、定期的に修繕やメンテナンスを実施する必要があります。

劣化が進んだ物件は、入居者も入りづらくなります。

 

【対策】

不動産投資においては、長期間物件を所有することになりますので、メンテナンスに関する長期的なプランをしっかり持っておくことが必要になってきます。

・適切な物件選び

・徹底した管理

・計画的な修繕費の積み立て

まず、選ぶ段階であまりにも古い物件など大規模な修繕が必要になるようなものは避けた方が無難です。実際に物件を見て設備の状態を把握しておくのが良いでしょう。

管理会社に管理を任せる場合は、しっかりと管理を行ってくれる管理会社を選ぶことも重要です。

しかしそれでも修繕が必要なタイミングは必ず来ますので、修繕費に割り当てるための積み立てを行い、いざという時に備えましょう。

自然災害のリスク

日本における地震や豪雨による自然災害は、近年ではその被害も頻発、激甚化しており、建物も倒壊や浸水などの被害を受ける危険性があります。

 

【対策】

利便性や利回りだけでなく、「もしこの地域に大規模な災害が起こったら・・」という最悪の事態を想定した上で物件を選ぶということが大切な指標になってきます。

・ハザードマップを確認

・耐震性の高い物件を選ぶ

・火災保険および地震保険への加入

物件選びの際の事前リサーチは重要です。ハザードマップを確認し、浸水や液状化リスクの高い地域を避ける、建物自体の耐震性を確認する、防火地域・準防火地域の物件を選ぶ等、災害に強いエリアや物件を選ぶことでリスクを大きく減らすことができます。

その上で、保険には必ず加入しておきましょう。

資産価値や家賃下落のリスク

家賃の下落は、「空室」や「老朽化」が起因となることが多いです。空室状態が続いたり、老朽化が激しい場合は家賃を下げて募集せざるを得ません。また、老朽化は資産価値そのものを下落させてしまう恐れもあります。いざ売却を考えた時、老朽化によって資産価値が大幅に下がるケースも想定されます。

 

【対策】

前に述べた空室を生ませない、老朽化をさせない対応がこちらのリスク回避にも関連してきます。

・人口流入が多く、需要の高い地域の物件を選ぶ

・定期的なメンテナンス

・リノベーションの実施

需要の高い地域は募集後もすぐ埋まり、空室リスクが低いため家賃下落の心配はありません。長期的な需要のある地域では、資産価値も維持あるいは上昇も期待できます。

反対に過疎地域は家賃や資産価値の上昇が期待しづらいため、避けるようにしましょう。

また、古い物件はリノベーションを検討することも有効です。築古物件でも高い家賃を設定することができます。

金利上昇のリスク

経済情勢などに影響され、将来的に借入金の金利上昇が引き起こることも想定されます。

それによってローン返済額が上昇し、キャッシュフローに影響を与える場合があります。

 

【対策】

将来の金利を予測することは難しいところですが、リスクを避ける方法はあります。

・固定金利にする

・変動金利の場合、低金利のタイミングで繰り上げ返済を行う

固定金利の場合、変動金利に比べて通常の金利が高くなる場合はありますが、金利が一定のため金利変動の影響を受けず、返済計画も立てやすいメリットがあります。

変動金利の場合、低金利のタイミングで繰り上げ返済を行い残債を減らすことができれば、金利が高くなったとしても返済額を据え置くことが可能です。ローン返済計画の中で、余剰資金を準備しておくこともひとつの手段です。

リスクと向き合う

リスクゼロは不可能

リスクをゼロにすることはできません。まずはそれを理解しておくことが重要です。

ただそのリスクを減らすことは可能です。

不動産投資におけるリスク回避術は、比較的セオリーに基づいて実施することができるため、他の投資よりも対策がしやすいことが大きな利点です。

必要な経費を惜しまない

リスク回避のためには一定の経費が発生する場合があります。

できることなら経費を抑えたいという気持ちはあるでしょうが、一定の経費をかけることでより高い収益につながる場合は往々にしてあります。

もちろん不必要な部分に無駄な経費をかける必要はありませんが、バランスを見ながら必要経費をかけていくことは、長い目で見ればとても大切なことと言えます。

まとめ

これまでの内容を含め、不動産投資で失敗しないためのポイントを最後にまとめておきます。

 

①災害頻発地域を避け、人気エリアや利便性の高い地域の物件を選ぶ

②建物の状態を把握し、必要なメンテナンスを怠らない

③万が一のための自己資金は常に準備しておく

 

これらを押さえることができれば、失敗することは限りなく低くなるでしょう。

契約がゴールではない

重要なことは、契約がゴールではなく、そこがスタートだということです。

長期に渡って投資生活を進める中では、不安や心配が出てくることもあると思います。物件選びの段階で、そのマイナス要素を無くしておき、もし発生してもすぐに解消できるようにしておくことが理想です。

ただ、これらをひとりで解決していくことは困難なため、信頼できる不動産屋と契約することが非常に重要になってきます。

その不動産会社は魅力的な誘い文句だけではなく、しっかりとリスクやデメリットの部分なども説明してくれているでしょうか?細かい要望にも真摯に対応をしてくれているでしょうか?

不動産投資は契約をして終わりではなく、契約からが始まりです。そのスタートまでをしっかりとフォローし、そして一緒にゴールに向かってくれるところであれば失敗することは決してないでしょう。

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